きょうのお金ニュースから<海外不動産賃貸で節税>

個人の所得税の節税では王道の、中古不動産賃貸関連のニュースです。

なぜ、海外を限定しているのか、
なぜ、以前からあるのに、「最近増えた」と表現するのか、
なぜ、いま報道されるのか、
その意図は謎ですが、海外がらみの節税対策を封じ込める路線のひとつでしょう。

ということで、
同じ節税スキームを使った、国内不動産賃貸は、まだまだ有効といえそうですね。

富裕層の方々と、サラリーマンの方々とは、ポイントがちがう。
あなたの所得にききめがある、不動産賃貸のポイントとは。
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あなたのためだけの時間

#きょうのお金ニュースから

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関連記事1:会計検査員が海外不動産賃貸の過度な節税に注目。

【海外中古物件利用の節税策 富裕層に広がる】
NHK 2016年10月28日

建物の資産価値が下がりにくい海外の中古物件を利用した節税策が富裕層の間で広がっていることが、会計検査院の調べでわかりました。税の専門家は、行き過ぎた税逃れにつながるおそれがあるとして、対策の必要性を指摘しています。
この節税策は、賃貸用として海外で中古の建物を購入したうえで、毎年資産価値が目減りする分を減価償却費として損失に計上することで、国内で得たほかの利益を圧縮する方法です。
アメリカやイギリスなどの中古物件は資産価値が下がりにくいのに、税務上減価償却費は価値がゼロになるまでの期間を日本の建物と同じ設定で計算されるため、実際の目減り分よりも大きい額になります。また償却期間が過ぎたあとも購入価格に近い高値での売却が可能で、節税や資産運用の効果が高いとされています。
こうした中、会計検査院が平成25年の税務申告で海外に不動産を所有していた331人の高所得者を調べたところ、287人が減価償却費を計上していたということです。中には節税効果が高くなる償却までの期間が短い物件の購入を繰り返している人も確認されたということです。
こうした節税策が広がる現状について、国税庁の元職員の中央大学の酒井克彦教授は「海外の不動産を買える富裕層だけがメリットを受けられるもので、多くの人は行き過ぎた節税だと感じるのではないか」と話し、対策の必要性を指摘しています。
ポイントは減価償却費
この節税策のポイントは、海外の中古物件は損失として計上できる減価償却費が大きくなることにあります。
これは、日本の建物に比べ築年数に伴う資産価値の下がり方が緩やかなのに、税務上、価値がゼロになるまでの耐用年数が同じ設定になっているためです。木造住宅の場合、耐用年数は22年で、税務上は価値がなくなるとみなされ、日本の古い物件は実際の中古価格もかなり安くなります。減価償却費は購入価格を残りの耐用年数で割って算出されるため、日本の古い物件を買っても、大きな額を計上することはできません。
これに対し、アメリカやイギリスでは築年数が20年を超えても価格が下がらない中古物件が少なくありません。このため、税務上の耐用年数に近づいた価格の高い中古物件を買えば、減価償却費を大きく計上することが可能で、高い節税効果が得られます。購入費は高くなりますが、耐用年数が過ぎたあとに高値で売却することも見込めるため、費用の回収もしやすいとされています。
会計検査院は、古い中古物件の資産価値が国内外で大きく異なることを踏まえて、より公平性を高めるような減価償却費の在り方を検討する必要があるとしています。
節税策勧めるセミナーも
都内では、海外の中古建物を利用した節税策を勧める富裕層向けのセミナーが頻繁に開かれています。
26日にロサンゼルスに本社がある資産運用のコンサルティング会社が開いたセミナーでは、テキサス州にある築22年の中古のコンドミニアムを1部屋1200万円ほどで購入すれば、年間270万円ほどの減価償却費を計上でき、所得税や住民税を最大113万円ほど節税できるうえ、およそ70万円の家賃収入も見込めると、メリットを説明していました。
2年前にカリフォルニア州にある戸建ての中古住宅を買ったという参加者の男性は、所得税などを年間140万円余り抑えられているということで、「節税効果もあり、何年か先に買った額とほぼ同じ額で売れることもメリットだと思います。よりメリットの大きいコンドミニアムの購入も考えています」と話していました。

過去の関連記事1:海外ビークルLPSからの損失分配のパススルーを認めなかった海外不動産投資。

【米不動産投資で30億円以上申告漏れ-顧客には著名な漫画家や野球選手らも】
2005年10月13日 読売新聞

ドイツ系証券会社「コメルツ証券東京支店」(2015年6月閉鎖)が考案し、資産家から出資を募った不動産
投資事業について、国税当局が、出資した全国の二十数人の資産家に対し、総額約30数億円の申告
漏れを指摘していたことが分かった。

資産家らは、事業で生じた赤字を個人の所得から差し引いて申告していたが、国税当局は「不動産は
米国内の法人が購入したもので個人の赤字にはできない」と判断、修正申告に応じなかった資産家に
追徴課税(更正処分)したとみられる。

申告漏れを指摘されたのは、東京都や愛知県などの会社社長ら資産家で、著名な漫画家もいた。国税
当局は、この事業が課税逃れ目的の商品だったと判断したとみられる。資産家の大半は、国税不服審判
所に審査請求している。

これに対し、国税当局では、LPSが〈1〉商業登記している〈2〉裁判の当事者になれる――などから、日本の
税法に照らし、「法人」とみなすべきだと判断した。

その上で、法人が購入した不動産などの減価償却費を、個人に振り分けることはできないため、資産家らが
自分の所得の赤字とした減価償却費は、申告漏れにあたると指摘。資産家らが受け取った賃料収入は、法人
からの「配当」にあたると認定したとみられる。(同支店については,割愛します.)

2003年に退任したコメルツ証券東京支店の川崎正・元代表は、「弁護士や会計士の助言を受け、国税当局にも
相談して作った投資プログラムで、節税効果があるのは確かだが、節税のための商品として売ったことはない。
国税当局の指摘は心外だ」としている。

過去の関連記事2:匿名組合契約の不動産賃貸の赤字分配を否認されたケースと思われる。

2010年12月4日 asahi.com

米国の不動産事業に投資した元プロ野球選手ら10人超が東京国税局の税務調査を受け、
2006年から08年までの3年間で計約5億円の申告漏れを指摘されたことが分かった。
海外事業の赤字と国内の利益を合算して申告所得を抑える「節税」投資の仕組みを使っていたが、
国税側は「赤字計上の条件を満たしていないため、節税は認められない」と判断した模様だ。

1990年代後半から活発化した富裕層の様々な「節税」投資について、国税当局は
「安易に税逃れをした疑いがある」として調査を強化したほか、関係法改正で規制してきた。
一方、こうした投資商品を勧誘する業者側は、法規制にひっかからない商品開発を進めるため、節税手法の是非をめぐる攻防が続いている。

取引関係者らの話を総合すると、今回、東京国税局が問題視した「節税」投資事業の仕組みは、
投資コンサルタント会社「レキシントン」(東京都)が、都内在住の元プロ野球選手や神奈川県内の会社役員ら10人超を勧誘したものだ。

米ユタ州の賃貸集合住宅を、投資家の出資金や銀行の融資計約15億円で購入・経営する事業で、
当初の約7年間は資産価値が下がることに伴う減価償却費などが生じ、賃貸収入を上回るため、
その差額分の赤字を税務申告できるとした。レキシントン側は「この赤字分と、日本の仕事で得た利益を合算すれば、
申告所得を少なくすることができる」などと節税効果をアピールした結果、1人あたり3千万円から1億円以上の投資があったという。

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